さんざん、悔やもう。

悔いのない人生を、送りたい。 

そう思って、生きてきた  

…つもりだった。

それは、わたしがまだ少女だったころ 

人は、ほんとうに死ぬんだ。 

と、実感したから。 

やりたいことは、それなりに 

やってきたつもりでいた。 

けど、振り返って、今思う。 

悔いのない人生を設定するなんて 

ほんとにつまらない。 

思いきりぶつかって   

がむしゃらに喰らいついても 

そんなに簡単には手に入らなくて  

プライドなんか捨て去って 

それでもチャレンジしては

ぺしゃんこになって  

眠れないほど狂おしく

歯ぎしりするほど悔しくて   

それでも欲しくて…

わたしは、そんなリスキーな思いを 

こころに抱くことすら、避けてきた。 

また、愛する人を失って

傷つくなんて、耐えられなかったから。 

そこそこ  

手に入りそうなものだけを求めれば 

歯ぎしりするほど悔やまなくてもすむ。

それは簡単。 

愛さなければいいんだもの。  

簡単に手放せるって

それほど思い入れがないってこと。

だから今、思うの。 

さんざん、悔やもう。

この世を去るときに、離れることが

悔やんでも悔やみきれないほどに 

存分に人を愛そうと。  

今日は不思議と、そんな思いが湧いてきた。