異邦人に、なってみる。
昨日は仕事の都合で、お昼を食べそこねてしまった。
中途半端な時間に一人で入った老舗のうどん屋さんで
思いっきり英語で接客された(笑)。
観光地の近くにあって、韓国語や中国語の飛び交う地域なので
不思議でもなんでもないんだけど
目の覚めるようなスカイブルーのブラウスを着ていたせいか
日々の散歩でいい感じに日焼けしてるせいか
とにかく
あぁ。わたしはそう見えるんだなぁ。
ってことが、とても新鮮だった。
わたしは日本語で注文するんだけど
ゆっくりはっきりとした日本語で、時に英語を交えて
にこやかに丁寧に答えてくれる女将さんに
わざわざ指摘する気にもなれなくて
まぁ、このうどん屋さんにいる間くらい
外国人になりきってみるのもいいか。
と思って、そういう目でお店をぐるっと眺めてみると
ほんとうに異国にいるような感じがしてきて、びっくりした。
不思議なもので、外国人モードになると
目に映るものすべてに対して
Wow!! What’s this?
と大げさに言いたくなる新鮮さと興味にあふれてくる。
テーブルに置かれた割りばしにレンゲ、柚子胡椒と一味唐辛子を
しみじみ眺めるわたしの姿は、ますます異邦人っぽかったと思う。
この季節だけ、博多の街を彩る飾り山笠。華やかで勢いのある祭りだ。
ちょうど、ライオンズクラブの国際大会が開催されているとかで
たくさんの民族衣装を着た人たちが福岡の街を歩いている。
今調べてみたら、世界205ヵ国から3万5千人も来てるらしい!
彼らと目が合うと、道の向こう側から満面の笑みで
Hi!と、目くばせしてくる。
このやりとりは、通りすがりの日本人同士ではあまりないよね。
ほんの一瞬、すれ違う人と交わすふわっと軽いこのノリが
わたしは、けっこう好き。
その人の顔とか着てる服とかは全部忘れてしまうのに
その瞬間、真顔だった自分の口角がきゅっと上がって
ちょっとだけこころが弾んだ感覚だけは、ずっと残る。
異邦人になりきって、すっかり見慣れた日常のシーンを
ひとつずつ見てみるってのも、たまにはいいかもしれない。
そうね。長年一緒に暮らしている家族の横顔を
しみじみと眺めてみるとか。
きっと、そこらじゅうに散りばめられた
新鮮な驚きに出逢えるんじゃないかしら。