いのちよおどれ。

自分を知ることは、いのちを知ること、つまり、真理を知ること。

熱のつたわる声が好き。

 

「ひとの声に救われた」

 

そう思った経験がある。 

 

 

ある時期、身内の不幸が続いたことがあった。 

 

父が交通事故で亡くなって

その数か月後に、祖母も亡くなった。

 

祖母は97歳の大往生で、認知症がかなり進んでいたので

父が亡くなったことは知らせないままだった。

 

 

父が毎日散歩に連れて行ってくれていた犬は

ちいちゃんという13歳のおばあちゃん犬で

一日じゅう眠っていることが多くなった。

 

 

ごはんもあまり食べなくなって

野良猫がやってきて食べてしまうんだけど

ちいちゃんは、自分の子どもと間違えているのか

いつもその野良猫の子どもを抱いて眠ってた。

 

ある日、ごはんをあげに行ったら

ちいちゃんは、眠ったままもう起きなかった。

 

野良猫の子どもは、いつまでも

ちいちゃんの傍から離れなかった。

 

 

子どものころから、うちにはいつも白い犬がいたけど

ちいちゃんが亡くなってから、わたしは犬を飼ってない。 

 

 

半年のうちに、大切な存在が次から次へと旅立つと

さすがにおかしくなりそうなくらいに、こたえた。 

 

その頃、自分でもどうやって過ごしてたのか

よく思い出せないけど

 

 

「いつかまた、お腹の底から笑える日は来るんだろうか?」

 

とぼんやり思ったことを覚えている。 

 

 

そこから、どうやって回復していったのか…

 

本当にたくさんの人に助けてもらった。

 

 

その時のわたしの生きる希望になったのは

あるジャズシンガーの声だった。

 

CDショップで視聴して、どうしても生で聴きたくなって

まだ小さなライブハウスや酒蔵で歌っていた頃の

ちーぼうを、姉と二人で追っかけた。

 

 

そういう、「何かをしたい!」と

外側に向かって強い興味が湧いたこと自体

父が亡くなってから、ほんとうに久しぶりのことだった。

 

人の声って、あったかいなぁ。

そして、ほんとうに力強いんだなぁ。

 

どうしてかはわからないけど、あの声を聴くと

こころが震えて、涙が止まらなかった。

 

そう思って、初めて気づいた。

 

わたしはいつの間にか、まるで火の消えたような

音や色や熱のない世界に生きていたんだって。

 

youtu.be

 

ひとの声って、歌って、すごいなぁと思う。

 

だって、世界に色をつけたり、熱を伝えたりできるんだよ。

 

そしてそれは、おおげさじゃなくて

当時のわたしの生きる支えになっていた。

 

 

と、こんなエピソードもすっかり忘れてたくらい

お腹の底から笑える日は、ちゃんとやって来たんだから

人はやっぱり強いと思う。

 

 

懐かしい曲を聴くと、いろんなことを思い出すなぁ。

 

 

わたしは、クセのある声というか人が好きみたいで

今日はずっとこの曲を聴いていた。

 

youtu.be

 

ほんと、名曲だなぁ。 

 

「情熱の彼方に 何がある?

気になるから行こうよ」

 

ってフレーズがすごく好き。

 

ひとの声は、内なるチカラを響かせてくれる。

 

 

 

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